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2015年4月入学式 学長式辞

2015.04.04

  宮城学院女子大学に入学したみなさん、そして大学院に進学したみなさん、誠におめでとうございます。

 本日ここに、みなさんをお迎えできましたことは、私たち宮城学院の教職員一同にとって、このうえない歓びとするところです。

 また、みなさんをここまで育て、支えてこられたご家族や関係者の方々に対しましても、心よりお祝いを申し上げます。入学し進学したみなさんも、これまで慈しみ、献身的に支えてくださった家族や関係者の方々に対して、感謝の気持ちを忘れないようにしていただきたいと思います。感謝の気持ちこそ、思いやりに通じ、人と人との関係を穏やかに、かつ豊かにしてくれます。感謝の気持ちこそ、人格形成や対人関係にとって、もっとも大切な心のありようだということができます。

 

 本学の前身である宮城女学校は、今から一二九年前の一八八六年(明治一九年)に創設されました。来年は創立一三〇周年になりますので、さまざまな記念行事が予定されています。在学生のみなさん及び保護者の皆様にも、そうした記念行事にぜひご参加をいただければと思います。

 一三〇年にもなる歴史をもつ学校は、それほど多くありません。宮城学院はミッション系の学校として、たいへん古い歴史と伝統をもつ学校だということができます。みなさんは、その伝統を引き継ぐ宮城学院女子大学に入学されました。卒業生の多くの方々は、そのような宮城学院に愛着をもち、卒業生であることに誇りをもってこられました。みなさんもこれから充実した学生生活を送り、先輩の方々と同様に愛校心を育んでいっていただきたいと思います。

 

 ところでこの東北は、二〇一一年三月一一日に、歴史上まれに見る巨大地震と巨大津波に襲われ、二万人近くの方々が犠牲になりました。学部に入学される皆さんは中学生でしたが、なおその記憶は鮮明なのではないかと思います。ここに参列しておられる皆さんの中にも、身近な人を亡くし、深い悲しみを抱いている方がおられるのではないでしょうか。

 神はどこにいるのか、という問いを発した人たちも少なくありません。その問いについては、みずから回答を探し求めるしかありませんが、いま私たちが勇気づけられるのは、被災地のあちこちに、リーダーたちがたくさん生まれてきていることです。震災直後には絶望の淵にあった多くの方々も、少しずつ立ち直り、自分が成すべきことを見つけて気力をふるい立たせている人たちが、たくさん生まれてきました。

 私はそこに希望を見いだしたいと思っています。災害は多くの苦難を私たちにもたらしますが、一方ではそれを乗り越える力や人材をも生み出してくるのであります。そして、この「立ち直る力」をもった人たちの存在が、単に災害からの回復力となるだけではなく、未来を切り開くための力となるのであります。

 

 「立ち直り」のことを英語ではレジリエンスと言いますが、そのレジリエンスを支えているのは、人々の気力であると共に、人と人とのつながり、つまり絆、であります。その絆は、痛めつけられた社会から回復する強い力を発揮すると共に、これからの新しい社会を築いていくための強い力ともなります。

 

 新しく入学された皆さんもまた、未来を担う人たちです。みなさんの新しい人生が、このキャンパスからはじまります。親元を離れた人も、実家から通う人も、このキャンパスが共同の場となります。よき友、よき師と出会い、学び、活動し、遊ぶことを通して、大学生活を、これからの人生の礎としてください。苦労もあり楽しみもあり、そして悲しみもあることでしょう。それらのすべてを体験することが、あなた方の人生と人格をつくりあげていくことになります。

 

 学長として仙台圏の企業のトップや社員の方々、あるいは高校の校長先生などとお会いする機会が多いのですが、その際、宮城学院女子大学出身の女性は、まじめで、おしとやかな人が多い、しかも優秀ですよ、ということをよく言われます。多くの方々の評価ですし、実際にそのような卒業生が多いのですから、それが宮城学院女子大学のカラーになっているのだと思います。

 同じキャンパスで学んだ者として共通する特性があるということは、そこに宮城学院の教育のあり方や雰囲気が反映しているのだと思います。人としてそれぞれの個性をもちつつ、大学のカラーも身につけているというのは、大学教育のあり方として理想的なことです。

 

 その大学のカラーを創り出す基本になっているのが、本学の教育モットーである「神を畏れ、隣人を愛する」ということでしょう。「神を畏れ」とは、神の前においては謙虚であること、という意味が込められています。しかし謙虚であることの意味は、控えめであれということではありません。みずからの力を知るということであり、みずからの力を知ることによって、みずからがはたすべき役割を自覚する、という意味があると私は理解しています。

 もう一つの「隣人を愛する」とは、隣人つまり他者の存在があっての自分という関係が基本にあります。したがって、自分が成り立つためには他者を敬う必要があります。それは当然、ソフトな人間関係を心がけることになります。

  「神を畏れ、隣人を愛する」というスクールモットーと共に四年間を過ごし、そして学生としての本分である、まじめに勉強をするという学生生活をおくることによって、おのずと宮城学院カラーを身につけた女性になっていくのだと思います。だからこそ卒業生の多くは、まじめで、おしとやかで、優秀だと言われるのであります。

 

 宮城学院の、このすばらしいキャンパスのなかで学生生活を過ごし、勉学に励み、クラブやサークル活動に励んでください。そうすれば、この煉瓦色の校舎のように、しっくりと落ち着いた、そしてやさしさと知性に満ちた女性になっていきます。このすばらしいキャンパスで、多くのひとと出会い、仲間を作り、語り合い、議論をし、大学での学びの魅力を、ぜひつかみ取ってください。そしてみなさんがこの四年間の間に、自己を確立した、凜とした女性となっていくことを心から期待して、私の式辞といたします。

 本日は、入学おめでとうございます。

2015年4月4日
宮城学院女子大学
学長 平川 新

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