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2014年度学位記授与式 学長告辞

2015.03.23

本日ここに、晴れて学士の学位と修士の学位を授与された皆さん、おめでとうございます。宮城学院女子大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。また、ここに至るまで皆さんを支えてこられた保護者の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。
卒業生の皆さんが今日の日を迎えることができたのは、みなさん自身の努力のたまものではありますが、みなさんを大学に通わせてくださった保護者の方々の深い愛情と経済的な支援によるものだということを改めて噛みしめてください。そして今日は、保護者の方々への感謝の気持ちを、ぜひしっかりと伝えていただきたいと思います。

 

学部のみなさんが本学に入学されたのは、二〇一一年四月のことでした。しかし、その前月の三月十一日には東日本大震災が発生し、東北地方は甚大な被害を受けました。皆さんは、高校の卒業式を終えて、大学の入学式を心待ちにしてころだったと思います。その犠牲者の中には、本学への入学予定者であった方もお一人含まれておりました。何ごともなければ皆さんと一緒にこの席に座っていたこでしょう。心からご冥福をお祈りしたいと思います。
 

歴史上まれに見る大震災の混乱を受けて、大学の卒業式は中止となり、皆さんの入学式も中止となりました。非常事態だとはいえ、みなさんにはたいへん申し訳のないことでした。そして入学式の代わりに、四月六日に大学ホームページ上で学長が入学許可宣言を出し、新学期は五月の連休明けから開始するという異例の事態となりました。みなさんは、そのようなかたちで宮城学院での大学生活を始めることになったのでした。
みなさんのなかにも、身近な人を亡くし、深い悲しみを抱いてきた方がおられるのではないでしょうか。また、未だに震災の衝撃から十分に立ち直ることができずにいる方がおられるかもしれません。すべては、歳月が癒やしてくれることを願わずにはいられません。
みなさんは、そうした環境や条件のなかでこの四年間を過ごしてきました。被災地の復興や被災者の立ち直りにために、自分が何をすればよいのかということを考え、取り組んできた学生も少なくないと思います。そうした方々を含め、被災地にある大学で震災後の四年間に学んできたことを、みなさんのこれからの人生の原点の一つにしていただきたいと思います。

 

今日は皆さんにとって新しい人生の旅立ちの日であります。これまでの学生時代とは異なり、職業人として、社会人として、そしてやがては家庭人として、さまざまな問題に直面することになると思います。そうしたときに、この宮城学院で学んだこと、経験したことを思い出してください。
大学での学びの中心となるのは、教養人として身につけておくべき素養や、それぞれの学問分野の基礎的な知識および学問の方法などを修得すること、そしてそれらを展開する能力を鍛え上げること、それが大学での学びになります。そうした意味で大学という場は、人間を形成し、人格を磨くための場、だということができます。

 

授業での達成度は、折々に行われる試験で確認することができます。それをクリアーしてきたからこそ、こうして卒業することができたのですが、自分が選択した専門分野は、自分の人生を形成していくなかでの一つのとっかりであり、一つの要素であると考えることができます。そのとっかかりとなった分野を、手がかり、足がかりとして学び、そして自己形成をはかってきたということになります。大学での教育が、専門のほかに一般教育という形で、さまざま学問分野を履修させているのは、専門のたこつぼに陥ることなく、多様な教養の修得と総合的な人格形成とを目的にしているからにほかなりません。

ホームページに掲載している「宮城学院女子大学倫理憲章」では、大学の使命を次のように規定しています。

「大学は、社会的要請に応え、その設置の理念の下、専門の学芸を教授研究し、幅広い教養をそなえた社会人を養成することを目的として活動を行っている。」

 

ここに示された「幅広い教養」というのは、幅広い知識ということだけでなく、そうした知識をもとに思考する力、つまり考える力、も含まれているということができます。単に記憶すればよい、暗記をすればよい、ということではなく、どのようにモノゴトを見、そして解釈し、さらに評価をしていくのか。そうした思考する能力を身につけさせるということが、大学教育としての大きな使命だと私は考えています。

 

みなさんは在学中に、大学の学びのなかから、そして友人との交わりや社会活動のなかから、こうした幅広い教養と行動力を身につけてこられたのではないかと思います。それこそが、これまでの大学生活でみなさんが学んできたことの大きな意義だと考えます。
卒業される皆さんは、これから社会とともに、そして社会の変化に合わせながら人生を設計していってください。みなさんが巣立っていくこの宮城学院も、時代に対応した新たな姿を求めていきます。 

 

十代後半から二十代前半の青春という時代を、この宮城学院女子大学で過ごした皆さん。煉瓦色に包まれたこの美しいキャンパスの風景を、その目と心に焼き付けておいてください。卒業生からこういう話しを聞いたことがあります。卒業して時間が経てば経つほど、母校への愛着が深まる、ということでした。この宮城学院で学んだことが、みなさんの人生の礎となり、心の糧となることを願って、私からのお祝いの言葉といたします。
本日は、ご卒業、おめでとうございました。

2015年3月20日
宮城学院女子大学
学長 平川 新

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