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教育学部 教育学科 教授 清水 禎文

2019.03.01

「深い学び」を測る

学期末の終業式。日本中の子どもたちが一喜一憂する瞬間があります。それは、担任の先生から手渡される通信簿を開く瞬間です。最初に目が行くのは、どこの欄でしょうか。きっと多くの人が各教科の評定を目にすることでしょう。そこには「5、4、3、2、1」などの数字が記されている場合が多い(小学校の通信簿にはありません)。「5」が多い子どもは誇らしげ、「3」の多い子どもは「ま、こんなもんか」と期待もなければ、落胆もなし。「1」がある子どもは浮かぬ表情・・・。日本の学校で学んだほとんどの人は、きっとこのような風景を記憶に留めていることでしょう。
ところで、この「5、4、3、2、1」という数字、一体何を示しているのでしょうか。「5」はよくできました、「1」はもっとがんばりましょう。ここまでは共通理解。一歩踏み込んで考えて見ましょう。これらは、一人一人の子どもの中にしっかりと宿り、子どもたちの人生を形づくる学びを示しているのでしょうか。そうではありません。それは、他の子どもとの比較であったり、「浅い学び」の「量」の合計点であったり、あるいは基準への到達度を示しているにすぎません。

今、学校ではOECDのキー・コンピテンシー論 に基づく学びの改革が進められています。これは、近代社会における学校が教えてきた「知識・技能」に加え、思考力・判断力・表現力等の諸力を用いて「問題を解決する力」、主体的に学びに取り組む「態度」などをバランスよく育成し、生涯にわたって学び続ける学習者を育てることを目標としています。「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」が求められています。

たとえば、この「深い学び」とは何でしょうか。また「深い学び」とはどのようにしたら測ることができるのでしょうか。そのためのツールや方法は何か。これが今の研究課題です。
この開発研究が成功すると、学びが変わり、学校が変わり、そして世界が変わります。

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