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日本文学科教授 伊狩 弘

2011.05.23

日本文学科の伊狩弘です。私は日本近代文学の専攻で、主として島崎藤村の研究をしていますが、一昨年から昨年の初めまで、中国の大連にある遼寧師範大学の外国語学院(学院とは中国では学部の意味)で日本語や日本文学を教えましたので、その経験などを述べたいと思います。

res201105a写真左は「東方紅風味酒楼」といって大連名所の一つ、文化大革命時代を真似た扮装の歌謡ショーを見ながら飲み食いするところです。食べ物は中国の東北地方の家庭料理で、素朴なものです。文革という動乱の時代もだんだん遠ざかって、今は思い出になりました。

 

 

 

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右の写真はこの前上野動物園にも来ましたね、成都にあるパンダの繁育基地を訪ねたときのものです。成都の郊外にある広い施設には大人パンダや子供パンダがごろごろしています。ごろごろという言葉がふさわしい動物です。

 

 

 

大連は日本から近く、また日本と関係の深い都市です。
遼東半島の先端にあって海に囲まれた島のような街です。しかし発展している先進的な都市ですから大変な人口で、町中は人で溢れています。

町には大学も数多く、一番有名なのは大連理工大といって、これは中国の先進的百大学に入ります。遼寧師範大学は残念ながら、それには入りません。大連外国語学院も有名です。学生たちは全寮制で、沢山の学生が4人部屋や8人部屋に生活します。ですからキャンパスのなかは校舎と寮と食堂が主要な施設です。
寮は規則が厳しいし、煮炊きは一切出来ないので、学生たちは学食で食べるか、学校の周囲の食堂や屋台店などで食べるかです。とにかく朝から晩まで学生の賑やかな姿と声で溢れます。休みになると一斉に学生の姿が消えますから、屋台なども閉店し、閑散とした町になります。

中国の大学は軍事教練が必修で、1年生は入学すると2~3週間の軍隊式訓練を受けます。その長さはその年によって異なり、私のいた時は新型インフルエンザの流行のため、多少短くなったようです。訓練は人民解放軍の兵士の指揮によって行われ、朝から夕方まで1日中続きます。グラウンドや校庭などの空き地で数千人の新入生が毎日教練する様子は壮観です。

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大連の西南に30㎞ほど行くと有名な旅順口があります。日清戦争と日露戦争の激戦地ですね。特に日露戦争の203高地の戦いは伝説的です。乃木将軍の2人の息子も死にました。乃木保典の戦士したところには記念碑が立ちます。旅順はそれほど重要なところだったのです。そして昔の日本はそこにいろいろの施設を作りました。旅順博物館や監獄もその1つです。少し前まではそうした施設は日本人など外国人は立ち入り禁止だったそうです。その理由はそれらは観光地ではなく、中国人の教育施設だったからです。新しい中国が出来る前の歴史を忘れないための場所だから、外国人とくに日本人はシャットアウトということのようです。こっそり入って300元の罰金を取られた人がいたそうです(今のレートだと4000円くらい)

res201105d旅順監獄はロシア・日本・中国の三代に亘って建築されたとのことで、伊藤博文狙撃犯の安重根が処刑されたのもそこです。博物館には大谷コレクションがあって大谷光瑞の発見したミイラも展示されています。

 

 

 

下の写真は夏休みに家族親戚が来たときに撮りました。

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中国は分からないところのある国ではありますが、その分からないところが面白い。さまざまの点で発展途上国ですが、大きな可能性やエネルギーを秘めた国です。人々の活力やたくましさ、強さは見習うべき点が沢山あると思います。

 

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